Adventurer3 Pro[7] FreeCad における結合

要旨

FreeCADでは基本は抜きをメインに作っていますが、どうしても足すということは避けて通れません。FreeCADでの足し、いわゆる合成ですが、Part Degign WBもPart WBもboolean 演算で結合という言葉では統一されていますが、別物のようです。

Part Desgin WBでの結合

2つのBodyを作ってそれらを Ctl キーを押しながら選択して、コンボビューでタスクを選択すると、boolean 演算が出てきますので、これで結合を選択するとうまく行けば結合されます。しかし、高確率で失敗します。

履歴(フィーチャー)ベースの統合

特徴:

  • 「スケッチ → パッド → ポケット…」という履歴モデルを保ったまま統合される
  • 元の Body の履歴ツリーを内部に抱えたまま FeatureBoolean が追加される
  • 一つの Body 内で形状が一体化する
  • 後からスケッチや数値を変えると、結合後の形状が全部再計算される

用途:
→ 1つの製品部品を“ひと続きの形状”として作りたいとき

メリット:

  • 完全パラメトリック
  • 履歴変更が自由
  • FreeCAD の PartDesign を正しく使った形になる

デメリット:

  • Body が複雑になると再計算が重い
  • 他 Body のフィーチャーをどれだけ使えるか制限がある
  • トラブルが多い(サポート形状、TopoNaming問題)

Part WBでの結合

Part Desgin WBと同じように結合するBodyを選択するところまでは同じです。Part WBでは、上にあるメニューの結合を押せばそのまま結合のメニューが出てきて、そのまま摘要を押すと、結合されます。こちらはほとんど成功します。こちらはこんな感じ

単純な「BRep(ソリッド)同士の演算」

特徴:

履歴は関係なく、出来上がった形状を“純粋なソリッド”として結合する

中のスケッチやフィーチャーはリンクしない

“CADカーネルが形状演算をして新しい形状を作る”だけ

用途:
→ 別パーツをくっつけて1つのソリッドにしたい、または最終形状を作りたいとき
→ 3Dプリンタ用の最終品を作るときに便利

それらの違い

比較点PartDesign BooleanPart Boolean(PartWB)
正体フィーチャー履歴の統合ソリッドの結合
履歴は?全部保持されるほぼ消える(履歴なし)
再計算過去スケッチから全部再計算形状のみ扱い軽い
トラブル多い(TopoNaming)少ない
用途同一パーツの“設計”最終形状の合体、3Dプリンタ
修正可能性高い(パラメトリック)低い(形状固定)

結論

Bodyは最後に Part WB で結合して、3Dプリンターで印刷する。後で治すことはできないので、結合する前のデータを保存しておくことです。