CBTC[4] 地上ー車上間通信

CBTCの特徴に大容量の地上ー車上間通信があります。一般的にはISM帯域の2.4GHzと5.6GHzを使用したものが殆どです。2.4GHzの方が5.6GHzより多く使われている気がしてます。CBTCは都市鉄道で使用され、GOA4で運行されるものを多いので、車内CCTVやPIS (Passenger Information System)も設備されています。これらも車上‐地上間通信が必要なので、大体はこの二つの周波数を使っているケースが多いと思います。顧客要求でどちらをCBTCにどちらをPISに使用するかが決まります。周波数が若干2.4GHzの方が低いので沿線に設置するアクセスポイント(AP)の設置間隔が若干長くなりますが、実際はあまり大きくは変わりません。

無線を使うことによって課題となるのは、安定性とセキュリティーです。安全規格のIEC 62280の適合が要求されますが、WiFi機器を使っていればそれほど問題にはなりません。

安定性はとても重要な要素で、WiFiはいたるところで使用されているので意図せずとも妨害となります。

信号システムはフェールセーフで設計されているので、妨害(混信)による通信断は列車を止める事があっても事故になることはないでしょう。まともな信号屋が設計して入ればですけど。

Wifiはもともとラップトップパソコンをケーブルを使用せずに使いたいという要望からできました(たぶん、そう思う)。なので、二つの前提があったと思っています。一つは、アクセスパスワードさえ知っていればどんなパソコンでも接続することができる。もう一つはパソコンを持って二次元上を歩く(移動する)ことは無い(まれ)である。 そのため、前者の要求から公開鍵方式を選択した。二番目の前提があったので、リンク確立までに少し時間を要してもよかった。ちなみに、リンク確立するまでに数秒かかるようです。測ったことは無いけど、IEEEの規格を見ても数百ミリはかかるようです。そして、二番目を前提した結果、適切なAPは電波強度が強いAPを選択する方式を取った。

その結果として、移動体での通信に弱いものになってしまった。想像ですが、一般的にCBTCは最高速度80 km/h程度のものが多いのは、このAP間のハンドオーバーの問題によるものではないかと推測しています。

しかし、言い換えればこれらの前提は1次元を走行するCBTCでは見直すことができます。一つ目の前提は見知らぬパソコン(CBTC無線機)を受け入れる必要はない(逆にあってはならない)。二番目の制約条件の高速移動と二次元をしないに制約を付けて、行先(次の位置)が分かるCBTCとしたらどうでしょう。つまり、SSIDも既に知っており、暗号化は公開鍵にする必要がなく、その結果としてリンクまでの時間が短縮できる。二番目から、適切なAPは自ら選択できるとなります。このようなことを行えば、きっとある程度の高速な移動体通信ができると思います。ここではあまり書けないので、実際が知りたい人は連絡下さい。

まあ、ともかく世界では100以上ものCBTCが問題なく稼働しているので、素のWiFiか、プロトコルを変えているかはわかりませんが、きっと大丈夫なんでしょう。

ちなみに、ITSではMISプロトコルという高速移動体のプロトコルを使って試験をしたようです。